2015/05/18

アジア近代建築史・都市史研究会 第11回研究会案内

アジア近代建築史・都市史研究会
11回研究会案内

日時 2015527日(水)15時から
会場 京都大学地域研究統合情報センター 2階セミナー室

〔報告1〕
ヤンゴン近代建築調査報告
大田 省一(京都工芸繊維大学)

ミャンマーの旧首都ヤンゴンには、イギリス植民地時代からの近代建築が面的に
残っており、遷都による都市再開発期を迎えてその実情把握が急務となっている。
この事情に鑑み、ヤンゴン工科大学と京都工芸繊維大学の共同によりヤンゴン近
代建築悉皆調査が行われた。ヤンゴンの近代建築遺産については大型公共建築の
調査についてすでに先行事例があるため、これを補完すべく住宅建築も対象とし、
550件のデータを収集した。
本報告では、この調査成果とともに史料調査の成果も併せて、ヤンゴン都心地区
の形成過程と近代建築の現況についての報告を試みる。

〔報告2〕 
19世紀イギリス植民都市の造幣局の建築について
水田 丞(広島大学)

19世紀、全世界に植民地を獲得した大英帝国は、本国の技術を輸出し、各地の植
民都市に造幣局を建設した。1808年と1880年にはロンドンの造幣局を改築し、近
代的造幣機械に対応した施設とするが、20世紀初頭までに、オーストラリアのシ
ドニー、メルボルン、パース、南アフリカのプレトリア、カナダのオタワに造幣
支局を開設する。さらに、植民地インドのボンベイとカルカッタ、極東の植民都
市香港にも本国の技術を輸出した造幣局を建設した。造幣局のような特殊な機能
が望まれる施設ゆえ、その建築計画には各地で技術的な共通点、影響関係があっ
たものと推察される。本研究では、各地の造幣局の建築を詳らかにし、その形態
的な共通性や技術的系譜へ考察しつつ、19世紀の世界をめぐる大英帝国の技術的

ネットワークを描出したい。

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次回研究会の日程も決まっています。
6月19日(金)
本田晃子氏
スターリン建築からフルシチョフ建築へ―ソヴィエト宮殿設計競技にみる「公式」建築の転換」
詳細は追って掲載いたします。